コラム|浜松市中央区で歯医者をお探しの方は【根上り松せいと歯科】まで

COLUMN
コラム
【浜松市の予防歯科】「フッ素塗布」で子どものむし歯が半減する?

毎日丁寧に子どもの歯を磨いているつもりでも、むし歯にならないか不安に感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。
子どものすこやかなお口を育てる上で、歯科医院で行う定期的な予防ケアは重要な役割を担うとされています。
なかでも「フッ素塗布(フッ化物歯面塗布)」は、むし歯予防効果が認められている処置の一つです。
今回は、歯科医院でのフッ素塗布が子どもの歯にもたらす影響や、ホームケアとの組み合わせについて解説いたします。

片岡 聖 院長
院長略歴北海道医療大学歯学部 卒業
愛知学院大学歯学部 高齢者歯科学講座 入局
静岡歯科にてインプラントセンター長として勤務
佐古歯科医院勤務
根上り松せいと歯科開院
「年2回以上の継続」で期待される!むし歯の予防効果

定期的に(年2回以上)継続して実施することで、乳歯のむし歯をほぼ半分に減少させたという報告があります。
参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~|フッ化物歯面塗布 >
継続することが予防効果を高めるポイント
フッ素(フッ化物)の力をしっかりとお口の中に留めるためには、単発の処置で終わらせず、継続しておこなっていくことが重要とされています。
数ヶ月に一度、お口の中の環境をプロの目でチェックし、適切な間隔でフッ素を補給し続けるメンテナンスの習慣が、お子さまのデリケートな歯を守る強い味方となるのです。
永久歯でも確認されているむし歯予防効果
さらに、永久歯(おもに、生えた直後のお子さまの永久歯)においても、20〜30%のむし歯予防効果が多数確認されています。
乳歯から永久歯への生えかわりの時期は、お口の中に背の低い歯や大きな歯が混在し、非常に歯が磨きにくい環境になりがちです。
生えかわったばかりの新しい永久歯の表面は、まだ完全に硬くなっておらず、酸に対して弱い性質を持っています。
この時期にフッ素塗布を定期的におこなっていくことは、大人の歯をむし歯から守り、生涯にわたって自分の歯を残すために大切と考えられています。
乳歯と生えかわり期ならではのリスクとは?

子どものお口には、むし歯のリスクが高くなる特有の理由があります。
子どもの歯の性質を理解することは、適切な予防歯科ケアの必要性を知る上で大切です。
エナメル質が薄く進行のスピードが速い
子どもの乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯の表面を覆うエナメル質や象牙質の厚さが大人の歯の約半分程度しかないという特徴があります。
子どもの歯は薄くてやわらかいため、酸に触れると溶け出しやすい性質を持っています。
そのため、「むし歯の進行のスピードが速い」というリスクを抱えているのです。
さらに子どもの歯は神経までの距離も近いため、深い部分までダメージが及びやすい傾向があります。
複雑な歯並びで、むし歯リスクが高まりやすい
子どもはおよそ6歳ごろから12歳ごろにかけて、乳歯が抜けて永久歯へと生えかわる時期を迎えます。
この期間のお口の中は、次のような理由で、プラーク(歯垢)が溜まりやすく、むし歯のリスクが高まりやすい環境にあります。
「歯の高さ」が不ぞろいになる
新しい歯が生えてくる途中は背が低いため、歯ブラシの毛先が届きにくくなることがあります。
「歯と歯のすき間」や「段差」ができる
乳歯が抜けたあとのスペースなどは、食べもののかけらが詰まりやすくなります。
生えかけの歯に歯ぐきが被っている
生えかけの歯の頭に歯ぐきが一部おおい被さっていることがあり、細菌がすみつきやすくなります。
生えかわりの時期は磨き残しが発生しやすい環境にあるため、日々のホームケアとあわせて、ぜひ歯医者の予防ケアを活用しましょう。
フッ素が歯に働きかけるメカニズムとは?

歯科医院で行う「フッ素塗布」は、ただ歯の表面を一時的に覆うだけのものではありません。
フッ素(フッ化物)という成分が歯の組織や周囲の環境に働きかけることで、むし歯になりにくい状態をサポートします。
1.エナメル質を酸に強くする
歯の表面を構成する結晶は、酸に弱いという弱点を持っています。
フッ素が歯に作用すると、酸に対して比較的強い安定した構造へと変化します。
これにより歯質そのものが強化され、お口の中のむし歯菌が作り出す酸に触れても、溶けにくい歯へと導かれるのです。
特に、まだ完全に硬化していない生えかけの歯に対して、効果が期待されています。
2.初期むし歯の「再石灰化」を促進する
お口の中では、食事のたびに歯の成分が溶け出す「脱灰」と、唾液の働きによってそれらが再び歯に戻る「再石灰化」が繰り返されています。
このバランスが崩れて脱灰のほうが多くなると、歯の表面が白く濁り始める初期むし歯の状態になります。
フッ素には、唾液中に溶け出したカルシウムやリンを再び歯の表面に戻す力を後押しする作用があるとされているのです。
3.むし歯菌の活動を抑制する
むし歯は、お口の中にいる細菌が食べものに含まれる「糖」を取り込み、「酸」を作り出すことによって始まります。
フッ素には、このむし歯菌の働きを弱める「抗菌作用」があるといわれています。
細菌が糖を分解して酸を作る酵素の働きをブロックするよう作用するため、結果としてお口の中全体の酸の量が抑えられ、歯が溶かされるリスクを低減させることにつながるのです。
どちらが大事?プロケアとホームケアの違い
歯科医院で行う「フッ素塗布」と、ご家庭で使用する「フッ素入り」歯磨き剤やジェルには、役割と濃度の違いがあります。
プロケアもホームケアも、どちらも大事です。
お子さまの歯を守るためには、この2つを適切に組み合わせることが望ましいとされています。
プロフェッショナルケア(歯科医院でのプロケア)

一般的なフッ素濃度:9,000 ppm
高濃度で歯質を強化します。年2〜4回、定期的に行います。
ホームケア(ご家庭での日常ケア)

一般的なフッ素濃度:900〜1,500 ppm(※年齢に応じた推奨濃度があります)
低濃度で毎日の再石灰化をサポートします。日常的に継続して行いましょう。
| 年齢 | フッ化物イオン濃度と使用量 |
|---|---|
| 歯が生えてから2歳 | 900~1,000ppmF米粒程度(1~2mm程度) |
| 3〜5歳 | 900~1,000ppmFグリーンピース程度(5mm程度) |
| 6歳〜成人・シニア世代の方 | 1,400~1,500ppmF歯ブラシ全体(1.5~2cm)程度 |
参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~|フッ化物配合歯磨剤 >
歯科医院で使用する高濃度のフッ素は、歯科医師や歯科衛生士が用法や量に配慮しながら扱うものです。
ご家庭でのケアは、毎日の食事によって少しずつ失われる歯の成分をその都度補い、常に再石灰化を促しやすいお口の環境をキープするために役立ちます。
定期検診で行うケア~すこやかなお口を育てるために~

予防のために歯医者に通う目的は、フッ素塗布だけではありません。
定期検診の受診は、子どもの成長発育を見守り、将来にわたってお口の健康を維持するためのさまざまなメリットをもたらすと考えられています。
丁寧なブラッシング指導
小児歯科の定期検診では、歯科衛生士がお子さまのお口の成長や歯並びの状態に合わせて、どこに磨き残しが生じやすいかをチェックし、丁寧な歯磨き指導を行います。
保護者の方に向けて、効率的な仕上げ磨きのコツや歯ブラシの当て方などもお伝えいたします。
プロによる歯のクリーニング
お口の中には、毎日のブラッシングだけでは落としきれない汚れやバイオフィルム(細菌のかたまり)が存在することがあります。
定期検診では、専用の器具を用い、プロによるクリーニングを行います。
清潔になった歯の表面は、歯垢(プラーク)が再び付着しにくくなるだけでなく、フッ素の吸収率を高めるメリットもあるのです。
むし歯の早期発見・早期対応
子どものむし歯は進行が速い傾向があるため、大人よりも短い頻度でのチェックが推奨されます。
定期検診を数ヶ月に一度のペースで受けていれば、初期むし歯の段階や小さなむし歯の状態で発見できる可能性が高まります。
また、顎の骨の成長や歯並び、かみ合わせのバランスも総合的に観察しています。
定期検診を継続していれば、生えかわり期に起こりやすいトラブル兆候を、いち早く察知できる場合があるのです。
子どものすこやかな笑顔と歯を守るために

朝起きたときの子どもの笑顔、おいしいものをしっかり噛んで食べる姿……それらを守るためにも、日々の丁寧な歯磨きと、歯科医院での定期的なフッ素塗布を上手に組み合わせていきましょう。
子どもの歯はデリケートですが、「適切な予防ケアを行うことで、効果的に強い歯を育てやすい時期」であるとも言えます。
当院の小児歯科では、お子さまがリラックスしてケアを受けられるよう、お子さまのペースに合わせて丁寧に対応いたします。
少しでも気になることや、毎日の歯磨きに関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。




